480156-Sおよびその関連化合物のプロスタグランジン生合成酵素阻害作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回検討した480156-S類縁化合物のprostaglandin生合成酵素阻害作用(PG生合成阻害作用)の強さは以下の通りであった.flurbiprofen(ID50;0.10μM)>indomethacin(0.28μM)>ketoprofen(0.34μM)>naproxen(2.5μM)>480156-S(6.0μM)>ibuprofen(6.5μM)>benoxaprofen(47.9μM).いずれの類縁化合物においても,S(+)体の方がR(-)体より数10〜数100倍高いPG生合成阻害作用を示した.2-phenylpropionic acidや480156-Sの代謝物M-I,M-IIおよびM-IIIにはPG生合成阻害作用は認められなかった.従って,PG生合成阻害作用には2-phenylpropionic acidのベンゼン環にthiazolyloxy等の疎水性の強い置換基が必要で,しかも4位に結合した場合が最も強かった.ベンゼン環の4位の置換基を変えた場合,PG生合成阻害作用の強さは以下に示す通りであった.thiazolylamino(320)>3-methyl-4-thiazolin-2-ylidenamino(229)>thiazolyloxy(156)>N-methyl-N-thiazol-2-yl-amino(185).ベンゼン環の3位ヘフッ素を導入した場合や3,5位へ塩素を2原子導入した場合はPG生合成阻害作用の増強をもたらすが,3位へ塩素を導入した場合には必ずしも増強されなかった.480156-S関連化合物のPG生合成阻害作用と抗炎症作用との間には比較的良い相関関係がみられたが,鎮痛作用との相関性は低かった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
広瀬 勝巳
塩野義製薬研究所
-
菅野 浩一
塩野義製薬・研究所
-
山口 敏朗
塩野義製薬(株) 新薬研究所
-
中村 裕
塩野義製薬(株)研究所
-
菅野 浩一
塩野義製薬(株)研究所
-
広瀬 勝巳
塩野義製薬(株)研究所
-
山口 敏朗
塩野義製薬(株)研究所
関連論文
- Peptido-aminobenzophenones-Novel Open-ring Derivatives of 1,4-Benzodiazepines
- 10.トリアゾロベンゾジアゼピンの硫黄誘導体 : ビタミンB研究委員会第256回会議研究発表要旨
- 各種動物におけるカルボン酸類の代謝
- P-25 ミクロオートラジオグラフィーによるラット血小板への^3H-S-145の特異的結合の検討 (血液)
- Betamethasone 17-propionateおよびBetamethasoneのラット視床下部―下垂体―副腎皮質系に及ぼす作用
- 新しい睡眠導入剤 1H-1,2,4-Triazolyl benzophenone誘導体450191-Sの薬理(VIII) : ヒト血漿中,尿中代謝物の検索および定量
- 新しい睡眠導入剤1H,1,2,4-Triazolyl benzophenone 誘導体450191-Sの薬理(VI) : ―HPLC-EIAによるサル血漿中代謝物の測定―
- 新しい睡眠導入剤1H-1,2,4-Triazolyl benzophenone誘導体450191-Sの薬理(IV) 450191-Sおよび代謝物の脳移行性
- 新しい睡眠導入剤1H-1,2,4-Triazolyl benzophenone誘導体450191-Sの薬理(I) 行動薬理学的研究
- 480156-Sおよびその関連化合物のプロスタグランジン生合成酵素阻害作用
- 6059-Sのラット,イヌ,サルにおける体内挙動 (6059-S)
- 新しい睡眠薬450191-Sの健常達人における薬物速度論的研究
- Pharmacokinetics of a new hypnotic, 450191-S in healthy adults.
- Pharmacokinetics of a novel hypnotic, 450191-S, in elderly patients.
- Pharmacokinetics of a new hypnotic, 450191-S in Macaca mulatta.
- タイトル無し
- Pharmacokinetics of a new hypnotic, 450191-S in elderly patients.