新規中枢性筋弛緩薬 Afloqualone の行動薬理学的研究 ラットにおける低率分化餌強化(DRL)反応および条件情動反応(CER)に対する影響
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概要
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中枢性筋弛緩薬 afloqualone の行動薬理学的特性をラットにおける低率分化餌強化(DRL)反応および条件情動反応(CER)に対する作用の面から検討した.正常ラットにおける一般症状観察において,chlordiazepoxide,diazepam,meprobamate,pentobarbital-Na はそれぞれ5および10,1および2,100および200,10および 20mg/kg,p.o. で多動,立ちあがり,立毛などの興奮様症状を惹起した.一方 afloqualone は筋弛緩とそれに伴う運動抑制が観察される 20mg/kg,p.o. まで投与しても興奮様症状を惹起しなかった.DRL 反応に対して,afloqualone は10および 20mg/kg,p.o. で chlorpromazine(5,10,20 mg/kg,p.o.)と同様抑制作用を示したが,chlordiazepoxide,meprobamate,pentobarbital-Na は興奮様症状発現量で促進的に作用した.methamphetamine(0.5,1,2 mg/kg,p.o.)は用量依存的に反応を促進した.CER に対して,chlordiazepoxide(5,10,20 mg/kg,p.o.),diazepam(1,2,5 mg/kg,p.o.),meprobamate(50,100,200 mg/kg,p.o.)は安全期の反応数に関係なく警告期の反応期の反応数を用量依存的に増加した.pentobarbita1-Na(5,10,20 mg/kg,p.o.)もほぼ同様の作用傾向を示した.afloqualone は5,10,20 mg/kg,p.o. の各用量でそれぞれ3例中1例において警告期の反応数を軽度に増加したのみであった。chlorpromazine(5,10,20mg/kg,p.o.),methamphetamine(0.5,1,2 mg/kg,p.o.)は警告期の反応数に対してまったく影響を及ぼさなかった.以上の結果より afloqualone は抗不安薬,催眠薬あるいは興奮薬とは異なった行動薬理学的特性を有するものと考えられた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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山村 道夫
田辺製薬株式会社 医薬開発研究所
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石田 柳一
田辺製薬株式会社安全性研究所薬理生化学部門
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石田 柳一
田辺製薬株式会社中央検査所臨床薬理部
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石田 柳一
田辺製薬安全性研
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落合 喬
田辺製薬株式会社安全性研究所
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山村 道夫
田辺製薬株式会社安全性研究所
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落合 喬
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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石田 柳一
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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