新規中枢性筋弛緩薬 6-Amino-2-fluoromethyl-3-(o-tolyl)-4(3H)-quinazolinone(Afloqualone)の一般薬理作用(II) ―末梢作用について―
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概要
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afloqualone(Afl)は 1〜2mg/kg,i.v. 以上で麻酔ネコにおいて呼吸抑制,心拍数減少,血圧下降,末梢動脈血流量軽度増大を示したが,経口投与では 50mg/kg で軽度の心拍数減少,血圧下降,末梢動脈血流量増大を示したのみで,麻酔犬においては特記すべき作用を示さなかった.Afl は家兎生体位心運動に対して 10mg/kg,i.v. で心尖運動の振幅減少,左右心側運動の振幅増大を示したが,経口投与では 50mg/kg で作用を示さなかった.Afl は 10<SUP>-4</SUP>g/ml で家兎摘出心房自動運動を軽度抑制したが,家兎摘出耳介血管灌流に対しては影響を及ぼさなかった。Afl は 10<SUP>-5</SUP>g/ml で家兎摘出回腸自動運動の振幅および tonus を減少した.Afl はマウス腸輸送能(50mg/kg,p.o.),ラット胃酸分泌(50mg/kg,p.o.)を軽度抑制したが,ネコ生体位胃腸管運動,ラット胆汁分泌,胃粘膜(50mg/kg,p.o.),ラット幽門結紮潰瘍(50mg/kg×2,s.c.)に対しては有意な作用を示さなかった.Afl は 20mg/kg,i.v. で節前線維刺激によるネコ瞬膜収縮反応を軽度抑制したが,adrcnaline(AD)による収縮反応を抑制しなかった.Afl は 50mg/kg,p.o で麻酔ネコの AD,noradrenaline(NA),dopamine 昇圧,acetylcholine(ACh),histamine(H),isoproterenol 降圧に対して作用を示さなかった.Afl は AD および NA によるモルモット摘出輸精管収縮を 10<SUP>-4</SUP>g/ml で軽度抑制し,ACh,H,BaCl<SUB>2</SUB> または serotonin によるモルモット摘出気管および回腸収縮を 2.5×10<SUP>-5</SUP>g/ml 以上で非特異的に抑制した.Afl は 10<SUP>-6</SUP>g/ml 以上で発情間期,発情期,妊娠期ラットの摘出子宮自動運動を抑制したが,生体位子宮自動運動に対しては 50mg/kg,p.o. で作用を示さなかった.Afl は20mg/kg,i.v. でネコ膀胱内圧を低下した.Afl は50mg/kg,p.o. でラットの尿量を増加したが,尿電解質量には作用を示さなかった.AH は 10mg/kg,p.o. 以上で carrageenin 誘発ラット足蹠浮腫を抑制したが,綿球肉芽腫を抑制しなかった.Afl はモルモットにおいて2%の高濃度で表面および浸潤麻酔作用を示さなかった.以上の結果を tolperisone,mephenesin および chlormezanone のそれと比較した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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山村 道夫
田辺製薬株式会社 医薬開発研究所
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石田 柳一
田辺製薬株式会社中央検査所臨床薬理部
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工藤 幸司
田辺製薬株式会社安全性研究所
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落合 喬
田辺製薬株式会社安全性研究所
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福地 勲
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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江郷 秀世
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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山村 道夫
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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落合 喬
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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石田 柳一
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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工藤 幸司
田辺製薬株式会社 安全性研究所
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