中枢性鎮痛薬Eptazocineの呼吸,循環器系に対する作用
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概要
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中枢性鎮痛薬eptazocineの呼吸,循環器系に対する影響を麻酔犬を用いて検討し,pentazocineおよびbutorphano1の作用と比較した.犬の全身血行動態に対しeptazocine 1mg/kg,i.v.は心拍数,LVdP/dtおよび心拍出量を増加したが,血圧,左心室拡張終期圧,右心房圧,肺動脈圧および肺動脈楔入圧にはほとんど影響を及ぼさなかった.eptazocine 3mg/kg,i.v.では血圧,LVdP/dt,心拍出量および左心室拡張終期圧の減少が認められ,心拍数および肺循環系には大きな変化は認められなかった.pentazocineでは1mg/kgおよび3mg/kg,i.v.で血圧,LVdP/dtおよび心拍出量の増加が認められたが心拍数には大きな変化はみられなかった.またpentazocineでは肺動脈圧の上昇が認められた.butorphano1では0.1mg/kgおよび0.3mg/kg,i.v.で血圧,心拍数およびLVdP/dtの減少が認められたが他のパラメーターには大きな変化は認められなかった.犬の呼吸機能に対してはeptazocineおよびpentazocineの1mg/kgおよび3mg/kg,i.v.で用量依存的な呼吸抑制作用が認められ,それに伴い血液のPO<SUB>2</SUB>およびpHの減少とPCO<SUB>2</SUB>の増加がみられたがその作用持続は短く,呼吸抑制作用はpentazocineで強く認められた.またbutorphanol 0.lmg/kgおよび0.3mg/kg,i.v.ではほとんど呼吸抑制作用は認められなかった.以上の結果からeptazocineの全身血行動態に対する作用はpentazocineおよびbutorphanolの作用とは異なり,呼吸に対しては弱い呼吸抑制作用を有することが示された.
著者
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