Adjvant関節炎ラットの病態解析と新しい薬効評価法
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概要
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Adjuvant関節炎ラット(AAラット)の各種症状および抗リウマチ薬の効果をWeibull分布に基づいて経日的に観察し,以下のことを見い出した.1)AAラットに発症する諸病変(前肢足腫脹,尾部念珠状変化,耳介結節,虹彩毛様体炎,亀頭炎)や各種の異常値〔後肢足体積,hematocrit値,体重,傾斜位姿勢保持能障害(機能障害),後肢足関節の屈曲刺激疼痛反応〕の発現率F(t)は,経日的に増加し,単純Weibull分布を示した.また足関節骨病変の経日的発現率は,複合Weibull分布を示すことから,骨病変発現速度に違いのある二群によって構成され,速い反応性を持つfast responderと遅い反応性を持つslow responderに分けることが出来た.2)重症度の異なる症例あるいは異種の症状の併発例の病態をWeibull確率紙の使用により統合でき,AAラットの病態解析を行うことが出来た.3)このWeibull分布を薬効評価に用いて,次の成績をえた.疼痛,腫脹および機能障害に対してazathioprine(AZP)は抑制効果を,indomethacin(IDM),prednisolone(PSL)およびgold sodium thiomalate(GST)は,遅延効果を示した.関節骨病変に対してIDM,PSLおよびAZPは,fast responder群にのみ抑制効果を,GSTは両群に対して抑制効果と遅延効果を示した.以上の結果は,Weibull分布の利用がAAラットの病態解析のみならず,AAラットでの抗リウマチ薬の薬効評価にて有用であることを示唆する.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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