大豆粕乾留タール(Glyteer)の抗炎症作用(第3報) I-IV型アレルギー反応に対する作用
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概要
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I-N型のアレルギー反応に対する大豆粕乾留タール(Glyteer:GL)の外用適用による効果を,ステロイド(SAID)および非ステロイド(NSAID)系抗炎症薬と比較検討した.1)I型の48時間homologous PCA反応(ラット)に対して,5%GLは有意な抑制作用を示した.その作用は0.12%betamethasone 17-valerate(BV)と同程度であり,5%bufexamac(BM)および1%indomethacin(ID)では作用が認められなかった.2)また,その抑制機序の一つとして,肥満細胞の脱穎粒反応抑制作用を有することが,病理組織学的に認められた.3)II型のreversed cutaneous anaphylaxis反応(ラット)に対して5%GLは効果を示さなかったが,5%BM,1%IDおよび0.12%BVではいずれも有意な抑制作用が認あられた.4)III型のdirect passive Arthus反応(ラット)に対して5%GL,5%BMおよび1%IDでは効果は認められなかったが,0.12%BVでは有意な抑制が認められた.5)IV型のoxazolone誘発接触性皮膚炎(マウス)に対しGLは0.2%,1%および5%でいずれも有意な抑制作用を示した.また,5%GLの作用は0.12%BVには及ぼないものの,5%BMとほぼ同程度であり,1%IDよりも強い抑制を示した.このようにI-IV型のアレルギー反応に対するGLの作用態度は,SAIDおよびNSAIDとも異なることが認められた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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