回転後眼振および前庭機能障害に対するATPの効果
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概要
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回転刺激後に誘発される眼振と,streptomycin長期投与により惹起される前庭機能障害に対するATPの効果を,diphenidolを対照薬として検討した.1)回転刺激後に誘発されるウサギの眼振(平衡反射)に対して,ATP(ATP-2Na)は3および10mg/kg i.v.でほとんど影響を与えず,30mg/kg i.v.で軽度に眼振数を減少せしめた.一方,diphenidol(diphenidol hydrochloride)は3mg/kg i.v.で著明に眼振数を減少せしめた.2)Streptomycin sulfateの1日量200mg/kg i.m. 9日間処置によって惹起せしめたモルモットの前庭機能障害に対して,ATP(1日量3および10mg/kg i.p.,100mg/kg p.o.)あるいはdiphenidol(1日量50mg/kg p.o.)の併用処置は明らかな軽減効果を示した.以上のように,ATPは前庭機能障害(平衡反射障害)に対してdiphenidolと類似する軽減効果を示したが, 正常の前庭機能に基づく平衡反射に対する影響が少ない点がdiphenidolと異なった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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佐野 宣之
興和株式会社・東京研究所
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中村 政記
興和株式会社・東京研究所
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平井 恵二
興和株式会社・東京研究所
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横山 融
興和株式会社東京研究所
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白沢 義〓
興和株式会社東京研究所
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平井 恵二
興和株式会社東京研究所
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