非ステロイド性抗炎症薬CN-100の生体高分子との相互作用
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概要
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新規非ステロイド性抗炎症薬CN-100の生体高分子との相互作用について検討した.CN-100はcollagenによるラット血小板凝集に対して抑制作用を示し,その作用はindomethacin(IM)とほぼ同程度であったが,pranoprofen(PP)に比べて弱かった.arachidonic acid(AA)によるラット血小板凝集に対するCN-100の抑制作用は,IMおよびPPの作用に比べて弱かった.CN-100は,collagen刺激による血小板機能(セロトニン放出およびmalondialdehyde産生)に対して抑制作用を示したが,AA刺激による血小板機能に対する抑制作用は弱かった.薬物の作用点を明らかにするために,赤血球,liposomeおよびウシ血清アルブミン(BSA)をそれぞれ膜,脂質および蛋白質モデルとして用い,それらのモデルとCN-100の相互作用を検討した.CN-100は,赤血球熱溶血およびliposomeのCa<SUP>2+</SUP>凝集に対し抑制作用を示し,その作用はIMより弱くPPより強かった.GN-100のBSAの熱変性抑制作用はIMおよびPPよりも強力であった.BSAとアゾ色素であるHABAとの結合によるメタクロマジーをGN-100は弱く増加させたが,IMは影響を及ぼさなかった.BSAに対しCN-100およびIMはサイトIプローブであるdansyl amideとの結合による螢光強度を増加させ,PPはサイトIIプローブであるdansyl prolineの螢光を減少させた。以上の結果より,CN-100は生体膜との相互作用が強く,特に膜蛋白質との結合により膜の安定化に寄与している可能性が示された.
著者
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米田 智幸
ゼリア新薬工業(株)中央研究所
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吉田 昭彦
ゼリア新薬工業
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加藤 久宜
ゼリア新薬工業 中研
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田頭 栄治郎
ゼリア新薬工業(株)中央研究所
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尾関 正之
ゼリア新薬工業(株)中央研究所
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米田 智幸
ゼリア新薬工業 (株) 中央研究所
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田頭 栄治郎
ゼリア新薬工業 (株) 中央研究所
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