Recombinant human erythropoietin(SNB-5001)の薬物動態ならびに薬理作用に及ぼす部分腎切除の影響 ―ラットによる検討―
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概要
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部分腎切除によるrecombinant human erythropoietin(SNB-5001)の血漿中濃度推移の変化と造血作用の関係を検討した.血漿中のSNB-5001濃度は2 step enzyme immunoassayにより測定した.部分腎切除ラットに50U/kgのSNB-5001を静脈内投与したところ,無処置ラットと同様に2相性に減衰したが,無処置ラットより高い濃度で推移し,血漿中濃度対時間曲線下面積も有意に増加した.また,生物学的半減期の延長および全身クリアランスの低下が認められた.分布容積は無処置ラットとほぼ同じであった.部分腎切除によりSNB-5001の消失が遅延したことから,SNB-5001の代謝あるいは排泄に腎の何らかの関与が示唆された.5,50および500U/kgのSNB-5001を7日間繰り返し静脈内投与すると,部分腎切除ラットおよび無処置ラットのどちらにおいても,用量依存的な網状赤血球数,赤血球数,ヘモゲロビンおよびヘマトクリットの増加が認められた。これらの血液学的指標について,投与直前と投与終了翌日の測定値の差をSNB-5001による造血反応とし,部分腎切除ラットと無処置ラットを比較した.部分腎切除ラットでは明らかに無処置ラットより強い造血反応を示した.以上の結果から,部分腎切除により作製した腎性貧血モデルの慢性尿毒症状態は,SNB-5001の作用を阻害せず,むしろ部分腎切除がSNB-5001の消失時間を遅延させることにより薬理作用を増強させる可能性が示唆された.
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