ラットのオペラント行動に対する1-Methyl-5-(<I>o</I>-fluorophenyl)-7-chloro-1，3-dihydro-2H-1，4-benzodiazepin-2-one(ID-540)の作用

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概要

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• 行動薬理学的特性を見い出す目的で，ラットのオペラント行動に対する1-methyl-5-(<I>o</I>-fluorophenyl)-7-chloro-1，3-dihydro-2H-1，4-bcnzodiazepin-2-one(ID-540)の作用を検討し，diazepamの作用と比較した。条件づけスケジュールとしては定時間隔(FI-60sec)と低頻度差別(DRL20sec)食餌強化スケジュール(ともに正強化)，シドマン型条件回避スケジュール(負強化)およびコンフリクト・スケジュールの4種を用いた．FI-60secスケジュールにおいて，ID-540，diazepamともに4mg/kg以下の投与量で投与初期に反応促進，8mg/kg以上の投与量で反応抑制という2相性の作用を示した．作用の持続はID-540の方がdiazepamより長かった．DRL20secスケジュールでは反応の促進はみられず，大量投与で反応数および強化数とも抑制され，時間弁別能の乱れがみられた．シドマン型条件回避反応は，ID-540，5mg/kgの経口投与によっても反応数・被ショック数とも影響がみられず，ID-540にneuroleptic様の作用は認められなかった．ID-540を2mg/kgと2,5mg/kgをそれぞれ10日間連続投与しても，FI-60secとシドマン型条件回避スケジュールの反応数には変化がみられなかった．コンフリクト・スケジュールにおける罰期の反応をID-540は0.0625mg/kg(i.p.)で増加させ，0.5mg/kg(i.p.)投与時にその効果は最大となった．一方diazepamのコンフリクト・スケジュールにおける罰期の反応を増加させる作用は4mg/kg(i.p.)投与時が最大で，ID-540とdiazepamのコンフリクト行動に対する効力比は約8対1と推測された．

• 社団法人 日本薬理学会の論文

著者

• 福島 英明

  住友化学工業株式会社医薬事業部研究部

• 北川 純男

  住友化学工業株式会社医薬事業部研究開発センター

• 岡 俊晴

  住友化学工業株式会社医薬事業部研究開発センター

• 浅見 幸男

  住友化学工業株式会社医薬事業部研究開発センター

• 福島 英明

  住友化学工業株式会社医薬事業部研究開発センター

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