Penicillin誘発性けいれんに対するBenzodiazepine系化合物の抑制作用
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概要
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Gallamine不動化ネコを用い,penicillin G1,000,3,000および6,000単位を大脳皮質感覚運動野麺下3mm,麟核および視床髄板内核に注入し,出現する原発性けいれん波,伝播性けいれん波および反応性けいれん波に対するbenzodiazepine系化合物(clonazepam,nitrazepamおよびdiazepam)の作用を検討した.Penicillin注入量によって原発性けいれん波の周波数,持続時間,発作頻度の増減および他部への伝播の程度が変化した.Penicillin6,000単位を注入した際,いずれの注入部位についてもbenzodiazepine系化合物5mg/kg i.v.はけいれん発作の持続時間を短縮し,その後に出現する間漱期を延長した.低用量のpenicillin(1,000あるいは3,000単位)を注入した際には,原発性,伝播性および反応性けいれん波を抑制した.大脳皮質感覚運動野からのpenicillin誘発牲けいれん波は対側同野に著しく波及し,大脳辺縁系,中脳および視床下部にも波及した.皮質下への伝播はbenzodiazepine系化合物の低用量で抑制されたが,対側同野の伝播は原発性けいれん波を抑制するのに要したと同じ高用量によってのみ抑制された.扁桃核からのpenicillin誘発性けいれん波は海馬および視床下部に著しく波及し,対側扁桃核には原発性けいれん波の終熔後反応性けいれん波が出現した.Benzodiazepine系化合物は反応性けいれん波および海馬の伝播性けいれん波を低用量で抑制したが,視床下部への伝播に対しては原発性けいれん波を抑制したと同じ高用量によってのみ抑制した.視床髄板内核からのpenicillin誘発性けいれん波は大脳辺縁系に著しく波及し,ついで皮質に波及した.このけいれん発作の場合,benzodiazepine系化合物の伝播性けいれん波を抑制する用量と原発性けいれん波を抑制する用量に著しい差は認められなかった.各種benzodiazepine系化合物の原発性けいれん波抑制の最小有効量はpenicillinの注入部位の如何にかかわらずclonazepamが最も小さかった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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