子馬の骨端症発症率からみた銅および亜鉛の必要量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道日高地方の25の軽種馬生産牧場で生産された約270頭の軽種子馬を対象に,生後まもなくから約18ヵ月齢まで骨端症発症状況と給与飼料中の銅および亜鉛含量との関係について検討した.子馬の骨端症は3〜7ヵ月齢で球節部に,12〜18ヵ月齢で腕節部に発症が認められた.しかし,牧場および個体間において,両骨端症の発症に関連性は認められなかった.跛行を伴う重度の球節部骨端症発症馬を認めた牧場における離乳直後の飼料中の銅および亜鉛の平均含量は,それぞれNRC必要量の52.5%,71.7%であり,発症率が低かった牧場に比べ明らかに低値であった.また,球節部骨端症の発症率と飼料中の銅および亜鉛含量との間には,ともに負の相関を認め,その回帰から球節部骨端症を予防するための銅および亜鉛の必要量は,NRC必要量を相当量上回るものと考えられた.しかし,腕節部骨端症においては以上のような傾向は認められず,発育ステージの相異に伴い,運動や増体速度などの要因が作用することや,銅,亜鉛の必要量が異なる可能性が示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
-
水野 豊香
日本中央競馬会美浦トレーニングセンター
-
水野 豊香
日本中央競馬会競走馬総合研究所
-
朝井 洋
日本中央競馬会 競走馬総研
-
藤川 洋史
日本中央競馬会競走馬総合研究所
-
山本 修
日本中央競馬会 日高育成牧場
-
朝井 洋
日本中央競馬会 日高育成牧場
-
山本 修
日本中央競馬会日高育成牧場
関連論文
- 馬の整形外科手術におけるセボフルラン-酸素による麻酔管理(短報)
- 馬のセボフルランおよびイソフルラン維持麻酔期における心血管系の経時的変化
- ウマにおけるセボフルレンの最小肺胞内濃度(MAC)とマスク導入時の生体反応
- ウマの全身麻酔における間歇的陽圧換気(IPPV)法の適応による循環係への影境
- 馬の心拍出重測定法としての色素希釈法, パルスドップラー心エコー法および熱希釈法の比較
- サラブレッド種子馬の発育に対する性別,生まれ月,産次,母馬の体重および牧場の影響
- 競走馬の角膜潰瘍に対する治療用ソフトコンタクトレンズの有用性
- 馬の眼科学(第1章)
- インフルレン麻酔下, 仰臥姿勢の馬におけるドブタミン投与による循環動態の変化
- 馬におけるジェット式人工呼吸器付き麻酔装置の応用
- 馬のイソフルラン麻酔における終末呼気炭酸ガス分圧の臨床的有用性
- 直接および間接鼠径ヘルニアを併発した競走馬の外科手術例
- ウマ真菌性喉嚢炎に対するマイクロコイルを用いた内頚動脈栓塞術の有用性
- ウマにおけるマイクロコイルを用いた内頚動脈栓塞術の有用性
- サラブレッド種子馬の哺育期における個体維持行動
- 軽種馬の養分要求量策定と軽種馬飼養標準の作成
- 馬に糞尿体("馬用オムツ")を装着した時の馬房内アンモニア濃度への影響
- 臨床ノート 導入時に著しい低血圧が観察された蜂巣織炎例の麻酔管理
- サラブレッド種競走馬に発症する手根関節構成骨の骨折統計(発症率,発症部位,競走復帰状況)および外科手術法の現状
- サラブレッド種子馬の発育に対する性別,生まれ月,産次,母馬の体重および牧場の影響
- 子馬の骨端症発症率からみた銅および亜鉛の必要量