合成発情ホルモン埋没肥育牛の肉および血中のエストロゼンの検定

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合成発情ホルモンのペレットを埋没した去勢牛の肉および血清中の残留エストロゼンに関する研究を行なつた.使用したホルモンのペレットはdiethylstilbestrol (DES) 12mgを含有する"Stimplants"(Charles Phizer社)およびDES 7.5mgおよびhexestrol 7.5mgを含有する"Hexettes"であつた.去勢牛9頭をホルモンの耳根部皮下埋没のほかは同じ慣用的方法で肥育した.これらの中,3頭はホルモン無投与対照区とした.次の3頭には肥育開始時3錠,3ヵ月後に2錠のStilnplantsの埋没を行ない,その後48日で屠殺した.他の3頭には屠殺前110日にHexettesを2錠埋没した.屠殺時に残留エストロゼン検定のため頸部の肉および血液を採取した.この検定は既報1,2)の幼若マウス子宮重量法によつた.肉のエストロゼン検定は2つの方法で行なつた.第1の方法では牛の肉をそれぞれ挽いて乾燥し等量のマウス飼料と混じてペレットに造つた.体重がほぼ12gの6匹1群のマウスに対し,このペレットを7日間与え,8日目に子宮を切り出して秤量した.マウス1匹当り7日間に摂取した肉の量は新鮮肉に換算し25gであつた.第2の方法では各牛の乾燥挽肉をそれぞれメチレンクロライドで抽出した.抽出物を体重が約10gの6匹のマウスに3日間注射し,4日目に子宮重量を秤つた.3日間の注射量は新鮮肉にして約15gであつた.血清はメチレンクロライドで抽出し,注射にまる同様な方法で検定を行なつた.何れの検定においても子宮そ平均重量は対照マウスのそれの範囲内であつた.結論的に,検定した肉や血液中にエストロゼンの残留は証明されなかつた.
社団法人日本畜産学会の論文

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