北海道高等登録牝牛の泌乳量の地区(市町村)間変異における遺伝と環境の相対的重要性
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概要
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北海道の高等登録牝牛1,818頭の泌乳記録を用いて,泌乳量の変異において,牝牛の検定地および牝牛の生産地がそれぞれどの程度の重要性をもつかを推定した.牝牛の移動によつて,牝牛の生産地と検定地との種々の異なる組合わせが生ずる.このような組合わせを基礎として,分散分析により,検定地による分散および生産地による分散(いずれも年次内)が,それぞれ9.41石および1.93石と推定された.相互作用の存在は,はつきりとは認められなかった.検定地による分散を環境的なものとし,生産地による分散をほぼ遺伝的なものとみなすならば,"地区間差異のへリタビリティ"推定値として0.17を得る.地区内ヘリタビリティをかりに0.4とおき,この分析で得た諸推定値を基礎として,牝牛の遺伝的能力の推定のために,個体自身の記録に加えて,地区平均を考慮する場合の指数式を求めた.与えられた条件下では,地区平均への考慮を加えても,個体自身の記録だけによる場合に比して,選抜の効果はほとんど高まらない.ただ,将来,精液の配布範囲の拡大によつて,地区間の遺伝的差異が縮少するならば,環境水準の指標として地区平均を考慮に加えることの有用性は,やや増すであろう.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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