ホルスタイン牛の泌乳3形質のヘリタビリテイおよび表型ならびに遺伝相関について
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概要
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乳牛の泌乳3形質,すなわち泌乳量,乳脂率および乳脂量おのおののヘリタピリテイなりびに相互間の表型および遺伝相関を推定した.データは北海道の高等登録牛の記録かとつた.119頭の種牡牛に関連する538対の母娘の記録を用い,娘の母への父内回帰を2倍してへリタビリデイを推定した.得たヘリタビリテイ推定値は,泌乳量0390±0.089,乳脂率0.656±0.105,乳脂量0.352±0.092である.母の3形質と娘の3形質相互間の父内積和を用い,HAZELの式をやや変更した式により遺伝相関を推定した.遺伝相関推定値は,泌乳量-乳脂率0.018,泌乳量-乳脂量0.774,乳脂率-乳脂量0.527であつた.対応する表型相関推定値は,-0.038,0.820,0.478である.ヘリタビリテイが能力水準の変化とともに変化するかどうかを知るため,娘の母への父内回帰の線型の検定を行なつたが,結果は,泌乳量および乳脂率においては線型仮設への適合は非常によく,乳脂量においてやや適合が落ちるが,なお統計的に有意ではなかつた.泌乳量-乳脂率の遺伝ならびに表型相関がほとんど0であることは,米国で常に負のかなり高い相関が報告されていることを照して,両国における選抜ないし改良のやり方の違いを反映するものではないかと考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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