北海道高等登録牛の昭和23〜33年における泌乳量および乳脂率のすう勢に対する遺伝的ならびに環境的諸要因の寄与
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概要
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最近約10年間における北海道の高等登録牛の泌乳量および乳脂率のすう勢が,どのように4つの遺伝的ならびに環境的要因の変化の影響から成つているかを量的に分析し,遺伝的改良の実態を明らかにする目的で,昭和23年から33年に至に間の2,382頭の検定記録(1頭1記録)を用いて,おのおの形質の検定年次に対する回歸を推定し,さらにその回歸の値を,環境,母の生年,父および地区(市町村)の4要因の寄与分に分解することを試みた.分析は,全期間を昭和23〜26年と昭和26〜33年の2期に分けて行ない,また,関係全市町村をコミにした分析のほかに,いわゆる先進ブリーダー地区と目される4市町と,その他の市町村の2つに分けた分析も行なつた.分析の結果をグラフで示し,主要な点について,戦後における乳脂率への関心の高まりに伴う,飼養管理および改良の面の重点の転移(泌乳量から乳脂率へ),先進ブジーダー地区(4市町)とそれ以外の地区におけるこのような重点の転移の程度および遲速の差,26年頃以降にみられる泌乳量記録の年々の低下傾向の原因などを中心に考察した.また,表に現われた記録の動きと遺伝的改良との関係、さらに遺伝的改良に対する戦後の輸入種牡牛の寄与について考察した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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