マウスの繁殖能力に及ぼす原子炉(JRR-1)照射の影響 : II. 成熟雄照射後の繁殖成績について
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概要
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成熟雄マウスにJRR-1照射を1時間(1H),3時間半(3.5H)それぞれ実施し,照射直後より10日または15日間隔で正常雌を順次交換しながら交配試験を続けて受胎能力を調べ,さらに産子数,死産数,性別について調べた.成績については成熟雄の照射後日数を1〜25日,26〜60日および61〜120日(3.5H区は61〜100日)の3期に区分して,交配雌数に対する分娩雌数の割合(分娩率),平均産子数,死産率および性比を算出した.結果を要約すると次の通りである.1. 照射後の受胎能力は,1H区は照射後120日,3.5H区は照射後100日まで調べられ,受胎能力の低下は全期間認められたが,一時不妊期は全く現われなかった.すなわち分娩率を各照射後日数ごとに調べるとき,1H区では一時不妊期に相当する26〜60日で著しく低下し,3.5H区の場合26〜60日および61〜100日では1H区よりもさらに低率で,それぞれ受胎能力の低下が明瞭であった.2. 産子数は,1H区では26〜60日のみ減少しており,61〜120日では回復し,3.5H区は全期間少なく,dominant lethalの誘発が推測された.以上の結果から1H区ではgerminal selectionが認められたが,3.5H区では一時不妊期を示さない程度の障害であるにもかかわらずgerminal selectionがみられず,照射後60日以降も産子数の減少が認められたことはJRR-1照射の特異的現象であると判断された.3. 死産は1H区で,1〜25日および26〜60日に比較的多く認められたが,産子数との関連はみられずdominant semi-lethalの誘発が推測されたが明らかではなかった.4. 性比については変化が認められなかった.
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