マウスの繁殖能力に及ぼす原子炉(JRR-1)照射の影響 : I. 成熟雄に照射した場合の体重および主な内分泌器官の重量変化について
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概要
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成熟雄マウスのJRR-1照射[No. 7 hole,出力40kW, 1時間(1H),2時間(2H)および3時間半(3.5H)処置]に基づく長期間(〜286日)飼育中の体重変化および長期間飼育後の臓器重量について次の結果が得られた.1. 2H区および3.5H区の体重変化は1H区と比較するとき大差は認められなかった.また致死作用も3.5H区において照射後30日以内に死亡したのは被照射マウス8匹中,炉心に最も近いF位置の2匹のみで,30日以上100日以内では死亡数0であった.2H区はF位置の2匹を照射後16日に屠殺解剖にしたのでその後は不明であったが,FM位置の2匹が照射後68日と84日にそれぞれ死亡したので,2H区の方に致死作用が強く認められた.かかる相違は照射後の飼育環境(室温)の影響によると考えられた.2. F位置における照射後30日以内の半致死量(LD50/30)は2時間照射であり,そのNeutron flux densityは7.2-36.0×1010n/cm2,γ線は400-800Rと推定された.3. 臓器重量は,精巣,下垂体および副腎について各区比較した結果,長期間飼育後の精巣は照射量の増加に伴い重量減少した.下垂体は顕著な変化なく,副腎は対照区と比較して各照射区とも肥大し,照射後長時間経過したにもかかわらず放射線のstressは残存しているように思われた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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