成長速度および放牧が乳用雄子牛の血清中フェリチン,鉄,鉄結合能におよぼす影響
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概要
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6〜7ヵ月齢のホルスタイン種去勢牛16頭を日増体量が0.0,0.4,0.8および1.3kgになるように各4頭ずつ区分し,135日間飼育し,また,0.8kg区と同腹の双子4頭を育成牧場に同期間放牧した.それらの牛の血清中フェリチン,鉄,鉄結合能およびそれらに関連する血液成分の変化を観察した.その結果,1.3kg区は赤血球数,血色素量および血球容積のほか,鉄結合能と血清鉄が上昇した.一方,0.0kg区は赤血球数,血色素量および血球容積が低値を示すとともに,鉄結合能と血清鉄が減少傾向を示したが,栄養性貧血には至らなかった.0.4kg区と0.8kg区には血液学的所見に大きな変化はみられなかった.放牧区は日増体量が0.42kgであったが,赤血球数の増加と赤血球の小球化が特徴で,同時に鉄結合能の減少がみられた,血清フェリチン量は0.0kg区で高値を示し,1.3kg区で低下傾向であったが,とくに,放牧区では顕著な上昇が観察された.また,試験終了後,屠殺し,肝臓と脾臓の非ヘム鉄とフェリチン濃度を定量したところ,1.3kg区が他区に比べて低く,また,放牧区は肝臓の非ヘム鉄濃度が高い傾向にあり,血清中のフェリチンと鉄結合能を中心とする血液学的所見との関連性が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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