ニワトリの発育,産卵ならびに卵殻の無機質含量に及ぼす騒音の影響
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概要
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餌付後6週齢のヒナ20羽を防音室内に収容し,白熱電球の全日点灯による照度40ルックスのもとで,約2週間予備飼育の後,10羽を対照区(C区),残り10羽を騒音区(N区)の2群に分けた.ついで,N区のヒナに対して,録音した道路上の自動車エンジン音を70〜75ホーンの範囲で,1時間負荷と1時間休止とを反復し,21週間にわたって騒音を負荷した.さらに騒音停止後3週間観察した.これらの期間,体重,産卵数および卵殼重量を記録し,また卵殼中のCa,MgおよびP含量を測定した.1. 騒音負荷開始後の各週の平均体重は,C区に比しN区が常に少なく,週齢が進むにつれて,その差は大きくなり,特に,20,21よび22週齢における平均値の差は大きく,126,147および143gであった。2. C区の各週の体重の棄却下限以下のN区の個体数は,13週齢以降の各週において1〜4羽であった.3. 騒音負荷によって,N区の産卵開始はC区に比しやや遅れる傾向があった.4. C区の週平均産卵率に比しN区のそれは低くその最大の差は20%であった.5. 卵殻無機質含量についすは両区間に有意の差は認められなかった.6. 騒音負荷停止後のN区の体重および産卵率はC区の値に接近あるいは逆転し,両区の差は縮小した.以上の結果から,騒音負荷によって,発育が抑制される個体が現われ,特に,19〜21週齢において3羽(30%)にそれが見られ,このことがN区の初産卵の遅れおよびその後の産卵の低下をもたらしたものと推測される.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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