中揉工程の作業条件と茶葉温度および機内温度の変化
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概要
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35K型中揉機を,機内の温度が測定できるように改造した実験機を使用して,幾つかの作業条件が茶葉の温度と含水率,機内温度等に及ぼす影響を調べ,次の結果を得た。<BR>1)運転中の機内温度は,熱風の入口側が最も高く,排気側へ近づくにつれて低くなった。また,温度のバラツキは入口側が最も大きく,上部の投入口附近で低い値を示した。その他の部分のバラツキは小さくなり,胴の上側と後側で温度が高くなる傾向がみられた。<BR>2)茶葉温度の測定法として,サーミスタをもみ手に取付けて自動計測する方法と,茶葉を投入口から採取して測定する方法を比較した結果,中揉の経過に伴って前者の測定値が高くなり,取出し時には約2℃の差を生じた。<BR>3)扇風機の回転数を大にして風量を増すと,機内温度,茶葉温度が高くなり,乾燥速度が増加して,所用時間は短縮された。しかし,胴回転数およびもみ手バネ圧の影響は明確でなかった。中揉取出し時の茶葉温度は40-43℃,含水率は30〜50%(D.B)の範囲であった。<BR>本試験遂行にあたり,実験機の改造については,東洋電装株式会社のご協力をいただいた。また本試験中の調査に協力され,助言をいただいた当場製茶研究グループ増沢武雄主任研究員,沢村章二技師,小泉豊技師,農林水産省茶業試験場製茶第二研究室長岩浅潔博士,機械研究室中野不二雄室長に深く感謝の意を表します。なお本試験は総合助成試験研究費によらて行ったことを記して感謝の意を表する。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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