ゴマフボクトウの生態および防除に関する研究(第1報)
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概要
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ゴマフボクトウの世代経過,加害習性および防除法.について試験調査を行なった。<BR>1.本虫は当地方では一世代に1年を要することが確認された。すなわち,9月下旬〜10月中旬にふ化した幼虫は新枝条を加害しつつ越冬し,翌春暖かくなるに従い急速に生長して順次下方へ移動する。7月ごろには地ぎわに達し,そのまま根に食入加害する。蛹化は8月から9月上旬に行なわれ,9月〜10月上旬に羽化産卵して一世代を終わる。<BR>2.加害植物として,従来茶のほか16科26種が報告されているが,その他にクチナシ,サンゴジュ,ヒイラギナンテンにも加害することがわかった。また,海におけるゴマフボクトウの加害は品種によって異なることがうかがわれた。<BR>3,発が終期から7〜10日おきに3回,EPN乳剤800倍液を10a当たり200〓散布すると80%程度の防除効果を上げ得ることがわかった。なお,この時期は暖地においては9月下旬〜10月中旬に当たる。<BR>4,秋冬期のせん枝による駆除法について試験した結果,発が終期(9月下句〜10月中旬)めせん枝が最も有効で60%程度の駆除効果が期待できる。また,暖地の秋せん枝時期である10月下旬〜11月上旬のせん枝でも40〜50%駆除できる。<BR>5.成木園では一番茶摘採直後の台刈りによって平均78.5%の幼虫がせん除され,被害じん大な茶園の回復対策として台刈りが有効であることが確認された。
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