土壌水分と耐寒性との関係について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.冬季における土壌水分と耐寒性との関係は,湿潤区も厳寒期にはいるにしたがって,茶葉搾汁屈折率は高まるが,常に乾燥区より低くhardeningの程度が低いことがわかる。12月中旬に湿潤区から乾燥区に変えた湿潤―乾燥区のhardeningは高まるが,逆に乾燥―湿潤区は低下する。1月中下旬〜2月中旬での低温処理め結果では,寒害に大きな差異はなく,わずかに乾燥区の耐寒性が強いことが認められた。しかし野外での試験では,土壌の乾湿区間には寒害の差異はなかった。<BR>2.厳寒期に乾燥から湿潤に一時的に変化したあと,低温に襲われた場合には寒害はやや大きくなる。この寒害の差異が認められるのは,土壌水分が変わったあとしばらくして低温に襲われた時である。この乾燥―湿潤区は,それでも湿潤区よりは耐寒性はやや強い傾向が認められた。<BR>3.土壌の乾湿とhardeningとの関係を知るため,低温恒温槽で行なった試験結果では湿潤区は茶葉搾汁屈折率の上昇は阻害されており,それだけよく上昇するためには,乾燥区の場合よりも低温が必要である。<BR>4.乾燥区の新芽の発芽および摘採期は遅れ,一番茶芽も小さくなっている。<BR>これらの結果から,当地方においては,冬季の土壌水分の問題は耐寒性よりはむしろ一番茶への影響を考慮して善処すべきものと考えられる。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
関連論文
- (67) 紅茶用品種の育成におけるアッサム種の利用 : 第1報 低温抵抗性 : 日本育種学会第29回講演会講演要旨 : 一般講演
- 冬季における土壌水分について (第141回講演会)
- 個体選抜における耐寒性について
- 土壌水分と耐寒性との関係について
- インド,セイロン,東パキスタンの茶業視察報告
- 煎茶用新登録品種「おくみどり」
- 煎茶用新登録品種「かなやみどり」
- アッサム種利用に関する育種学的研究(第3報) : 茶の品質
- アッサム種利用に関する育種学的研究(第2報) : 低温抵抗性について