アッサム種利用に関する育種学的研究(第2報) : 低温抵抗性について
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概要
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昭和35年交配の実生個体を供試材料として,その低温抵抗性を調べた。<BR>1,低温抵抗性の遺伝力はh2=0.7098で高く,低温抵抗性の強いものは弱いものに対して優性で,ポリジーンに由来するものと考えられる。<BR>2.アッサム種を利用して,低温抵抗性の強い個体を作成するには,アッサム種の低温抵抗性が弱いために,とくに強い特性の品種を選んで組み合わせる必要がある。しかし,このような組合せでも,低温抵抗性の強い個体の出現率は低かった。<BR>3,供試した個体群の樹高・せん枝量(樹勢)・成葉の大きさはいずれも大きな変異を示したが,これらの特性と低温抵抗性との闇の遺伝・表現型・環境の各相関は低く,その関係は認められなかった。<BR>これらのことから,アッサム種を利用する場合は,低温抵抗性の強い,広域性の品種の育成を目標とせず,むしろ対象地域を気象的要素から区分して,各地区に適する品種の育成を目標とし,それにしたがって組み合わせる品種を選ぶような使い分けをして,アッサム種のすぐれた特性の導入に努めるζとがより効果的と思われる。
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