ポリスチレンスルホン酸を滴定剤としたコロイド滴定─トルイジンブルーのメタクロマジーと電位差コロイド滴定─
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概要
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ポリビニル硫酸(PVS)とトルイジンブルー(TB)とのメタクロマジーとポリスチレンスルホン酸(PSS)とTBとのメタクロマジーについて,マイクロプレートを用いた目視法と紫外可視分光法で調べた.また,PSS-TBの会合系を軽水1H-NMR法によって調べた.その結果,TBを指示薬とする目視コロイド滴定においてPSSのメタクロマジーが終点で不明瞭である理由は,PSSのスチレン基に,芳香環を持つTBがπ−π相互作用でスタッキングするために,TBがPSSにrandom型の会合を起しやすいことが原因であると解釈された.さらに,界面活性剤電極を用いてTBを指示薬とするPSSの電位差コロイド滴定を行った.PSSを用いる電位差滴定によれば,TBを用いても化学量論的な終点が得られた.PSSとPVSをそれぞれ滴定剤とするコロイド滴定において,塩化テトラデシルトリメチルベンジルアンモニウム(Zeph)を標準物質とすると,高分子量のポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム(PDADMAC)に対するそれぞれの滴定値は2% 以内の相対差で一致した.
著者
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服部 敏明
豊橋技術科学大学分析計測センター
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平田 幸夫
豊橋技術科学大学
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内藤 洋子
豊橋技術科学大学物質工学系
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伊藤 義徳
豊橋技術科学大学物質工学系
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加藤 亮
豊橋技術科学大学研究基盤センター
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吉野 明広
名古屋工業大学大学院工学研究科
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