ふ化前後における雛骨格筋の核酸量ならびに蛋白質成分量の変動
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概要
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雛の胸筋重量は,ふ化時から2週令にかけ著しく増加するが,その後増加の度合は,低下することが報告されている.本実験は,このような胸筋重量の速かな増加を,その核酸ならびに,蛋白質含量の変動から究明するために,案施したものである.白色レグホーンのEmbryoおよび雛を用い,浅胸筋について,筋重量,デオキシリボ核酸(DNA),蛋白質成分を,ふ卵開姶後10日から49日(28日令)にわたり測定した.結果は次の通りである.1) ふ卵開始後10日から15日までは,筋重量ならびに筋当りのDNA量は,ほぼ似た速度で増加するが,DNA当りのTotal Nの増加は,ほとんど起らなかつた.2) ふ卵開始後16日からふ化時にかけ,筋重量および筋当りのDNA量は,ほとんど増加を示さなかつた.これに対し,DNA当りのTotal Nは,17日ごろから増加し始めたが,24日(3日令)まで,その増加の度合はゆるやかであつた.3) ふ卵開始後15日から24日にかけ,Total Nの組成に,著しい量的変化が認められた.すなわち,15日におけるFibrillar-protein NはTotal Nの38.6%に相当していたが,24日には51.7%に増加した.これに対し,Sarcoplasmic-protein Nは40.0%から26.2%に低下した.なお,Total Nの成分割合は,ふ化後21日でほぼ一定の値に達した.4) ふ化後約12日間,筋重量は著しい増加を示したが,その後その増加の度合は減少した.これに対し,筋当りのDNA量は,ふ化後6日間のみ顕著な増加を示すにすぎなかつた.DNA当りのTotal N量は,ふ化後3日から著しく増加し,12日以後増加の度合は低下した.
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