鶏の盲腸消化に関する研究 : II. 盲腸摘除鶏における食下飼料の消化器内通過時間ならびに総排泄物の成分について

概要

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ふ化後5-6週間の白色レグホンオスビナに,人工的に盲腸摘除手術を行ない8-10ヶ月間飼育した成鶏に,酸化クロームを指標として飼料とともに自然摂取または強制摂取せしめ,その総排泄物中における指標の量から,食下物の消化管内における移動時間を検討した結果,いずれも摂取後おもに4-6時間にわたつて指標の排泄が行なわれ,ほぼ10時間後までには,大部分の指標が排泄されるのが認められ,それは対照である正常鶏の場合と比較してとくに相違のないことが認められた.また,それら個体の総排泄物中の水分を測定した結果,盲腸摘除鶏においては約80%の値を示し,常に正常鶏の場合の約70%の値に比して約10%前後水分含量の高いことが認められた.さらに,それらの固形分中の成分を検討した結果,粗蛋白質,粗脂肪,粗繊維ならびに粗灰分などの含量については,正常ならびに盲腸摘除鶏との間に,とくに相違は認められなかつた.
社団法人日本畜産学会の論文