有機物施用茶園における土壌中の可給態窒素含量と収量, 品質との相関
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有機物施用茶園における,土壌中の可給態窒素含量と収量,品質との関係を明らかにするために,堆肥を6年間毎年0,1,2,4t/10a施用した茶園を供試し,各堆肥施用区のうね間土壌中の無機態窒素濃度を12,24mg/乾土100g(堆肥2t区は24mgのみ)の2段階とし,処理期間における可給態窒素および無機態窒素の含量と収量,品質との相関を求めて比較検討した。その結果は次のように要約される。<BR>1) 土壌中の可給態窒素含量は,堆肥施用量を増すほど増加し,4t区では20〜22mg/乾土100gで,無施用区の3.6倍に増加した。なお,可給態窒素含量の時期別変動をよ割合に小さかった。<BR>2) 一,二番茶期における新芽中の総窒素量は,可給態窒素+春・夏季の無機態窒素の含量との相関が最も高く,可給態窒素と無機態窒素は茶樹の窒素吸収に対する窒素供給源としては,互いに補完的な役割を果しているものと推察された。<BR>3) 一番茶の収量は春季の無機態窒素濃度と,二番茶の収量は可給態窒素含量との相関が高かった。一番茶の煎茶品質では各窒素形態の含量との相関関係に有意性は認められなかったが,二番茶の煎茶品質は春・夏季の無機態窒素濃度との相関が高かった。可給態窒素の生産能率は品質よりも収量に対して,また一番茶期よりも二,三番茶期において高いものと推察された。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
関連論文
- 1-7 キマメ根の締め固め土層中への貫入伸長(1.土壌物理)
- 16 チャの樹体内における土壌由来窒素の分配と利用(九州支部講演会要旨(その1))
- 6-18 チャの葉面および経根吸収窒素の同化、転流に及ぼす遮光の影響(6.植物の代謝および代謝成分)
- チャにおける吸収窒素の分配と利用に及ぼすしゃ光の影響
- チャの樹体内における吸収された土壌窒素の分配と利用
- チャにおける土壌窒素の季節別吸収と新芽への転流
- チャに対する尿素の葉面散布が施肥窒素の吸収,同化および転流に及ぼす影響
- 26 茶園土壌における最適N濃度について : 第1報 N濃度に対する各茶期の感応(九州支部講演会講演要旨(その2))
- 18 茶園における被覆尿素の施用効果(九州支部講演会要旨(その2))
- 26 チャの古葉に対する尿素の散布効果(九州支部講演会要旨(その1))
- 25 一番茶萌芽期から摘採期における古葉中のアミノ酸含量の推移(九州支部講演会要旨(その1))
- 4 黒ボク土茶園における窒素多施が土壌の塩基含量に及ぼす影響(九州支部講演会講演要旨(その1))
- 13 チャの古葉からの尿素吸収(九州支部講演会要旨(その1))
- 8-29 多量施肥茶園における肥料成分の収支(ライシメータ試験)(8.畑・草地および園地土壌の肥沃度)
- 19 茶園における多量施肥と肥料成分の溶脱(ライシメーター試験) : 幼木期における窒素の収奪と溶脱(九州支部講演会要旨(その1))
- 10 茶園における多量施肥と肥料成分の溶脱 : ライシメータ試験(九州支部講演会要旨(その1))
- 6-26 茶樹に対する尿素の葉面散布が施肥窒素の代謝に及ぼす影響(6. 植物の代謝および代謝成分)
- 32 茶園における乾燥牛ふんの窒素代替性試験(九州支部講演会講演要旨)
- 31 茶園土壌における最適N濃度について : 第5報 有機物施用下における可給態窒素と収量の相関(九州支部講演会講演要旨)
- 有機物施用茶園における土壌中の可給態窒素含量と収量,品質との相関
- 31 茶園土壌における最適N濃度について : 第4報 時期別最適N濃度による組立試験(九州支部講演会講演要旨その2)
- 火山灰茶園土壌における最適な窒素肥沃度の検索-2-
- 1-1 黒ボク土茶園におけるかん注施肥窒素の挙動(1. 土壌物理)
- 26 茶園土壌における最適N濃度について : 第3報 夏茶に対する時期別最適N濃度(九州支部講演会講演要旨(その2))
- 火山灰茶園土壌における最適な窒素肥沃度の検索
- 7 茶園土壌における最適N濃度について : 第2報 一番茶に対する時期別最適N濃度(九州支部講演会講演要旨(その2))
- 茶の養分吸収効率改善
- 良質・低コスト茶生産のための施肥技術の確立--土壌窒素濃度の診断を主体とする
- 有機物施用茶園における土壌中の可給態窒素含量と収量, 品質との相関
- 火山灰茶園土壌における最適な窒素肥沃度の検索II
- 火山灰茶園土壌における最適な窒素肥沃度の検索