大豆蛋白質添加鶏ひき肉の熱凝固性
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概要
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大豆蛋白質と食肉蛋白質の相互作用を知るため,鶏ひき肉,2種類の大豆蛋白質およびそれらの試料の混合物の加熱時における特性を比較検討した.各試料を50°C〜100°Cで加熱し,それらのゲル強度,ヤング率および保水力を測定した結果,その50%を市販分離大豆蛋白質液で置換したひき肉のゲル強度および保水力は,すべての温度においてひき肉単独の値より高く,一方その50%を大豆酸沈殿蛋白質液で置換したひき肉のゲル強度はすべての温度でひき肉の値より低く,またその保水力は高温(85°C〜100°C)においてのみひき肉の値より高かった.試料を加熱したときに分離してくる液汁中の蛋白質構成をSDSゲル電気泳動法で検討した結果,50%市販分離大豆蛋白質液置換ひき肉の場合,分離してくる蛋白質成分は少ないが,50%大豆酸沈殿蛋白質液置換ひき肉の場合は分離してくる蛋白質成分が多く,とくに大豆蛋白質由来の蛋白質成分が明瞭に認められた.ひき肉の50%を大豆酸沈殿蛋白質液で置換した場合と大豆酸沈殿蛋白質液の代りに水でその50%を置換した場合のゲル強度を比較した結果,置換した大豆酸沈殿蛋白質液は混合試料のゲル強度にはほとんど寄与していないことが示された.大豆酸沈殿蛋白質液にひき肉を添加すると,100°C加熱におけるゲル強度は全固形分が増加したにもかかわらず減少した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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