ホルスタイン種とジャージー種における牛乳蛋白質型と乳量との関連性
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概要
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農林水産省岩手種畜牧場と福島種畜牧場における後代検定娘牛ホルスタイン種407頭,ジャージー種30頭を用いて,κ-力ゼイン(κ-cn),β-ラクトグロブリン(β-1g),αS1-カゼイン(αS1-cn),β-カゼイン(β-cn)座位の遺伝子型と乳量との関連性につき検討した.乳量記録はホルスタイン種では初産のもの,ジャージー種では初産から8産までのものを使用した.なお,ジャージー種における乳量は,産次が同一でないため成年型に換算して分析を行なった.分析方法は,ホルスタイン種の3年度の乳量記録では,乳量を集団平均,牛乳蛋白質型の効果,種雄牛の効果,誤差に分けた二元分類データととして最小二乗法により分散分析を行なった.残りのホルスタイン種とジャージー種の乳量記録については,種雄牛あたりの娘牛の数が少なかったため,乳量を集団平均,牛乳蛋白質の効果,誤差に分けた一元分類データとして分散分析を行なった.またあわせて,乳量の全分散に占める牛乳蛋白質型の効果の割合についても推定した.牛乳蛋白質型の判定は,既報の尿素加澱粉ゲル電気泳動法によって行なった.その結果,κ-cn型だけは常に,乳量の全分散の少なくとも数パーセントの割合を占める効果をもっていることが推察された.またκ-cn型間で乳量に統計的有意差が認められたのは,集積データのうち岩手種畜牧場のものであり,乳量の平均値をκ-cn型間で比較すると,κ-cn AB型の乳量は他のホモ型のそれよりも常に多かった.他の牛乳蛋白質型であるβ-1g型,αS1-cn型,β-cn型,およびκ-cnとβ-1g両座位におけるヘテロ座位数と乳量とには関連性は認められなかった.また牛乳蛋白型と脂肪率,無脂固形分率との間にも,一定の関連性は認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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