人工第1胃におけるガス産生像とその飼料価値評価への応用に関する研究 : II.各種炭水化物によるガス産生像
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概要
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前報に明らかにした各種配合飼料原料におけると同様に単一の各種炭水化物を基質にした場合,それらガス産生像の基質による特異性の有無,およびこれに及ぼす基質量の影響を確認しようとして本実験を行なった.実験方法は前報と同様に,重炭酸塩緩衝培養液からなる入工第1胃を用い,産生されるガス産生速度,およびその培養10時間内での経時的変化(ガス産生曲線)を検討した.1) 50ml目盛注射器による1時間間隔毎のガス産生速度(ml/hr)を測定してえられた各種炭水化物のそれぞれのガス産生曲線は,供試炭水化物の化学的分類および水溶性の難易にかかわりなく,5つの曲線型に分類できた(実験I).すなわち,(1) glucose-sucrose型,(2) xylane-デンプ型,(3) xylose型,(4) pectin型,(5) cellulose型である.2) pectinの曲線型はトウモロコシのそれに非常に類似していた.celluloseのガス産生速度の増大は培養7〜8時間後からみられたが,その時点は供試炭水化物のなかでは最も遅く,1時間間隔のガス測定による培養10時間内にはその最高ガス産生速度の時点を確認できなかった.3) 培養10時間がガス産生曲線の基質特異性をみるのに一般的に適切か否かを明らかにするため,とくにcelluloseの培養10時間附近での20分間隔でのガス産生速度の動態を検討したところ(実験II),その最高ガス産生速度(ml/20 min)は培養9時間20分時点でえられた.4) ガス産生速度に及ぼす基質量の影響をpectinを基質として検討した結果(実験III),その供試条件下において基質量はガス産生速度に直線的に影響することを認めた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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