異なる栄養水準下での日本短角種と黒毛和種の発育と 屠殺時形質について
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概要
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日本短角種(短角)と黒毛和種(黒毛)の発育と屠殺時形質の差を明らかにする目的で,平均7.6ヵ月齢の,各品種10頭づつの去勢牛を用いて試験を行なった.高栄養(A)群には308日間体重比2%の濃厚飼料を給与し,低栄養(B)群には前半は粗飼料のみ,後半は濃厚飼料を制限給与することによって490日間肥育した.終了時体重は短角平均523kg,黒毛平均460kgであった.発育速度はいづれの場合も短角が大きく,また栄養水準が低い場合ほど,短角の黒毛に対する相対発育量は大きかった.体重当り乾物摂取量はA群では短角が大きく,B群では両品種に差は認められなかった.一方飼料要求率はA群では品種差は認められず,B群では短角がすぐれていた.屠殺前の絶食にともなう体重減,枝肉歩留あるいは枝肉中の正肉(赤肉+脂肪),骨の割合には品種あるいは群の差は大きく認められなかった.屠殺時体重に対する割念として,頭,皮は黒毛が重く,逆に大部分の内臓諸器管は短角が大きかった.脂肪沈着様式には両品種に大きな差が認められ,短角は皮下脂肪が厚く,逆に黒毛は腹腔内脂肪(大網膜脂肪,腸間膜脂肪,腎脂肪)が多い傾向が認められた.ロース芯脂肪含量は腹腔内脂肪との相関が認められた.これらの脂肪沈着様式の差と耐暑性との関連について考察した.
著者
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