PMS前処置HCG投与ラット卵巣ホモジェネート沈澱部中のアルカリプロテアーゼ活性について
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概要
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著者らは,哺乳動物の卵巣機能とプロテアーゼとの間の生理学的関係を解明する目的で,PMS前処置HCG投与後8-9時間の幼若ラット卵巣を用い,そのホモジェネート内アルカリプロテアーゼ活性の分布と若干の性質を調べた.プロテアーゼ活性は,カゼイン基質を用い,前報と同じ方法によって測定された.結果は次のごとくである.1) 本卵巣の0.15M NaClホモジェネート中には約8.5に至適pHを持つアルカリプロテアーゼ活性が存在するが,その大部分は沈澱部中にあり,上清中にはほとんど見出されない. 2) 沈澱部中の本酵素は1.0M NaClのごとき高塩濃度で可溶化されるが,0.02M NaClのごとき低塩濃度では可溶化されない.3) 可溶化された本酵素活性はホモジェネート上清によって強く阻害される.4) かくて,本卵巣ホモジェネート中のアルカリプロテアーゼは遠沈及びその後の沈澱部可溶化によって約17倍の比活性と約140%回収率の増加をもたらした.5) 本可溶化酵素はCu2+,Zn2+,TPCK, EDTA, cysteine, 2-mercaptoethanol, DFP, SbIによって強くあるいはかなり阻害される.Ca2+は適度に活性を増加させる.7) 本酵素はpH 6-9の領域では37C以下でかなり安定であるが,酸性pH下では4Cでさえも極めて不安定である.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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吉田 文男
麻布大学環境保健学部生化学教室
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樋口 正
麻布大学環境保健学部生化学教室
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吉田 文男
東京農工大
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樋口 正
東京農工大学農学部家畜生理学研究室
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吉田 文男
東京農工大学農学部家畜生理学研究室
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