ブタによるキャッサバの飼料価値について
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概要
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キャッサバの飼料価値を知る目的で,消化試験を行い,次に子豚期および肥育期の飼料にキャッサバを段階的に配合して発育成績に及ぼす影響を検討した.キャッサバの風乾物中の可消化粗蛋白質は0.9%,可消化養分総量は76.1%,可消化エネルギーは1kg当り3280Kcal,エネルギーの消化率(可消化エネルギー/全エネルギー)は89.2%であった.子豚期の発育試験は4回実施し,供試飼料中のキャッサバの配合割合を0,7.5,15%とした.子豚期の1日平均増体重に関して統計処理した結果,キャッサバの配合量による差は5%水準では認められなかったが,粉餌重で給与した場合キャッサバの配合量が多くなるにしたがって増体は低下する傾向があった.同一配合割合のものをペレット化して給与すると発育成績の改善が認められた.肥育期の発育試験は3回実施し,供試飼料中のキャッサバの配合割合を0,10および20%とした.肥育期の1日平均増体重に関して統計処理した結果,試験1では対照区とキャッサバ20%配合区との間に5%水準で有意差が認められた.粉餌で給与した場合,キッヤサバの配合割合が増すにつれて,1日平均増体重,1日平均食下量,飼料要求率は直線的に悪くなった.試験2では飼料による差は5%水準では認められなかった.同一配合割合のものをペレット化して給与すると,発育成績の改善が認められた.肥育試験終了後,供試豚を屠殺し,キャッサバの屠体成績に及ぼす影響を調べた.養豚用飼料中にキャッサバを20%まで配合しても屠体成績に影響はなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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