家兎子宮頸の構造
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概要
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家兎に卵巣ホルモンやプロスタグランジンを処理すると,受精卵が子宮頸を通過して腟に排出されてくることから,子宮頸内の卵子通過の機構について新たな問題が提起されている.本研究では家兎子宮頸の生理•形態学的研究の一環として,非妊娠子宮頸を肉眼的,組織学的に観察し,また筋束の走向も検討した.2本の子宮頸は厚い中隔により完全に分離され,それぞれ腟内に突出して明瞭な外子宮口を形成している.家兎では内子宮口は不明瞭とされていたにも拘らず,肉眼的にはその縦走ヒダにより,子宮粘膜の乳頭状ヒダの連続とは明らかに区別され,かつ縦走ヒダが取り囲んでつぼまり,内子宮口と称するにふさわしい構造を呈していた,しかし,組織学的には粘膜上皮の移行は突然ではなく,内子宮口部位で行われていた.なお粘膜上皮は単層の高円柱状細胞より成り,線毛細胞ならびに非線毛分泌細胞が認められた.線毛細胞の割合は,7宮頸中央や外子宮口よりも内子宮口で高い傾向が認められた.子宮では内輪走筋および外縦走筋ともよく発達し,その筋束の配列は規則的であった.しかし,頸部ではそれらの筋束の配列は乱れ,筋束は細くなり,数も減じて腟壁の近位端に放散し,腟壁へは連続していなかった.家兎子宮頸は子宮角に比べ,結合組織が豊富であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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