ブタ卵胞卵の体外培養における成熟分裂速度について

概要

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体外培養されたブタ卵胞卵における成熟分裂の時間的推移およびpHの分裂速度におよぼす影響について検討した.直径2〜5mmの卵胞から採取された卵の成熟分裂は卵核胞期にあった.修正KRBで培養した場合,卵丘細胞をもつ卵胞卵では,培養後14時間目に卵核胞が崩壊して第1成熟分裂中期に移行した.後期は20時間目,終期は21時間目から観察され,また第2成熟分裂中期は22時間目から観察された.なお成熟分裂の速度に変異がみられたが,その原因は主に培養条件にあると推定された.分裂速度は培養液のpHに影響され,pH6.8〜7.0および7.8〜8.0区ではpH7.2〜7.4区にくらべて第2成熟分裂中期への移行がそれぞれ6〜7,5〜6時間遅延した.なお遅延した6〜7,5〜6時間は卵核胞崩壊所要時間の遅延時間に近似し,pHは主に卵核胞崩壊所要時間に影響することを通して成熟速度に影響すると推定された.卵丘細胞の付着していない卵においても上記の付着している卵とほぼ同様の時間点推移を示したが,第2成熟分裂中期への移行率は低く,かつ染色体の異常凝縮や細胞崩壊などの退行的変化を示す卵の出現率も高かった.
社団法人日本畜産学会の論文