トランスレーショナルリサーチに向けた病理学的研究−消化管がんの新規診断マーカー・治療標的の同定
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概要
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がん細胞特異的に存在し,全身正常組織に存在しない分子は,分泌タンパク質であれば血清腫瘍マーカーとして,細胞表面タンパク質であれば治療の標的分子として期待される.著者らの研究室では,SAGE法・CAST法を用いて消化管がん,特に胃がんに特異性の高い遺伝子の探索を行っている.SAGE法から同定された胃がんに特異性の高い遺伝子はREG4,OLFM4,MIA,MMP10,DKK4 等で,REG4 遺伝子がコードするReg IV,OLFM4 遺伝子がコードするオルファクトメジン4(olfactomedin 4)はいずれも分泌タンパク質であり,胃がん診断における高感度血清マーカーである.CAST法から同定されたDSC2 遺伝子は細胞間接着分子デスモコリン2(desmocollin 2)をコードしており,腸型粘液形質を有する胃がんの細胞表面に発現していることから,診断マーカー・治療標的として有用である.
著者
-
大上 直秀
広島大学分子病理
-
仙谷 和弘
広島大学医学部分子病理学
-
安井 弥
広島大学 大学院医歯薬学総合研究科分子病理学
-
坂本 直也
広島大学院医歯薬学分子病理学
-
大上 直秀
広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室
-
仙谷 和弘
広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室
-
坂本 直也
広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室
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