既治療進行非小細胞肺癌に対するベバシズマブとカルボプラチン,ドセタキセルを用いた多剤併用療法の経験
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概要
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背景.ベバシズマブは血管内皮成長因子に対するモノクローナル抗体であり,本邦では2009年11月に扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発非小細胞肺癌への使用が承認された.今回,2009年11月から2010年2月に当科でベバシズマブ併用抗癌剤治療を行った進行再発非小細胞肺癌連続4例について,その治療反応性と有害事象について報告する.症例.57〜68歳(中央値:62.5)の女性2人,男性2人.全例腺癌.手術はIV期以外の3例に施行されており,いずれの症例も抗癌剤治療はこれまでに複数のレジメンが施行されている(4〜7レジメン,中央値:5.5).ECOG PSはいずれも0〜1と良好だった.カルボプラチン(AUC=6)+ドセタキセル(60 mg/m2)+ベバシズマブ15 mg/kgを2コース施行した.2コース目投与後3週間経過した胸部CTでは,2例で明らかな縮小を認め,残る2例は縮小傾向であった.有害事象については,Grade 4の好中球減少を3例に認め,Grade 1の鼻出血を3例に,Grade 1の血痰を1例に認めたが,いずれも許容可能だった.結論.ベバシズマブにカルボプラチンとドセタキセルを併用した抗癌剤治療を4例に施行し,2コース終了時点で速やかな治療効果を認めた.
著者
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垂水 晋太郎
香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科
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三崎 伯幸
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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張 性洙
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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井貝 仁
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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松浦 奈都美
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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中島 成泰
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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石川 真也
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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横見瀬 裕保
香川大学医学部呼吸器乳腺内分泌外科
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呉 哲彦
香川大学医学部呼吸器・乳腺内分泌外科
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