通電加熱アルマイト担体を用いたCO2吸収プレートの開発に関する研究
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概要
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クリーンなエネルギー源として注目されている水素の高効率な製造法として,水蒸気改質反応場に固体CO2吸収剤を導入する方法がある.本研究では,固体CO2吸収剤の新しい利用法として,通電による基板自身の加熱が可能な担体の上に,吸収剤を担持して用いることを提案した.基板に通電し加熱することで迅速に目標温度にすることができ,吸収–放出モードがスムーズに切り替えられることが予想され,短時間での切り替えによる連続運転が可能となることが期待できる.今回吸収剤としてLi4SiO4を用いて,その担持方法の検討ともに,CO2吸収プレートのCO2吸収反応速度解析を行い,本研究が提案する箱型反応器の実現可能性について検討した.その結果,CO2吸収量が約30 g/m2であるCO2吸収プレートが得られ,吸収反応が支配的な領域での活性化エネルギー及び頻度因子はそれぞれ1.97×102 kJ/mol, 8.01×109 sec−1となった.算出した速度式を基に改質触媒とCO2吸収プレートの導入量の関係を検討したところ,改質反応の平衡を十分に移動させるには改質触媒の約20倍の面積のCO2吸収プレートが必要であると分かった.この結果から吸収量の単純増加だけでなく,波形やフィン状といった基板の形状や反応器の形状の工夫によって,本研究で提案している箱型反応器のみで燃料電池用改質ガスを得られる可能性が示唆された.
著者
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