腹膜平衡試験を用いた小児腹膜機能の経時的評価 : —腹膜炎の影響—
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概要
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腹膜透析管理の長期化に伴い,腹膜機能の低下が問題となってきている。腹膜透析中の小児において,腹膜平衡試験を経時的に行い,腹膜機能の変化を検討した。対象は腹膜透析中の児12名であり,腹膜炎の既往がある群 (6名) と,ない群 (6名) の2群に分けた。 初回と最終腹膜平衡試験の間隔は,腹膜炎の既往がある群では22.8±11.6カ月,ない群では28.2±12.3カ月であった。腹膜炎の既往がある群では,透析液/血中 (D/P) クレチアニン比 (4時間値) は進行性に低下したが (p<0.01),腹膜炎の既往がない群では有意の変動を認めなかった。D/D0糖濃度比 (4時間値) は,両群ともに変化を認めなかった。以上の結果より,腹膜機能は長期腹膜透析児において安定であるが,腹膜炎を合併した場合,腹膜機能は進行性に低下することが示唆された。また,腹膜平衡試験は腹膜機能の経時的評価に有用な検査法であると考えられた。
- 日本小児腎臓病学会の論文
著者
-
西 昭徳
久留米大学医学部薬理学講座
-
天本 祐輔
久留米大学小児科
-
西 昭徳
久留米大学小児科
-
伊藤 雄平
久留米大学医療センター小児科
-
間 克麿
久留米大学医学部 小児科学教室
-
西 昭徳
久留米大学医学部 生理学第一講座
-
間 克麿
久留米大学 小児科
-
伊藤 雄平
久留米大学 医療センター 小児科
-
西 昭徳
久留米大学医学部 小児科学教室
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天本 祐輔
久留米大学医学部 小児科学教室
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