PEG-IFN α-2b/Ribavirin併用療法で肝サルコイドーシスが悪化したC型慢性肝炎の1例
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概要
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症例は51歳,女性.既往歴に眼サルコイドーシス.C型慢性肝炎に対してPEG-IFNα-2b/Ribavirin(PEG-Interferon α2b/Ribavirin,PEG/RBV)の併用療法開始後,造影CTで明瞭に描出される多発肝腫瘍を認めたため治療中止した.超音波検査では腫瘍の境界が不明瞭で,生検の結果,肝サルコイドーシスが疑われたが,確定診断には至らなかった.しばらく経過観察したが変化ないためPEG/RBV併用療法再開し24週間投与を行った.投与終了後5カ月目で多発肝腫瘍は徐々に増大傾向にあり,CT及び造影超音波で明瞭に描出されたので,造影超音波下肝腫瘍生検施行し,肝サルコイドーシスと確定診断した.その後は経過観察のみで肝腫瘍は徐々に縮小し,PEG/RBV終了後12カ月目にほぼ消失した.C型慢性肝炎はSVR(Sustained Virological Response)を維持している.IFN(Interferon)およびRBVの治療においてサルコイドーシスの誘発,増悪についても注意すべきであると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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小林 雄一
松山赤十字病院肝胆膵センター
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上甲 康二
松山赤十字病院肝胆膵センター
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田中 良憲
松山赤十字病院内科
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渡辺 崇夫
松山赤十字病院肝胆膵センター
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大野 芳敬
松山赤十字病院肝胆膵センター
-
竹下 英次
松山赤十字病院肝胆膵センター
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田中 良憲
松山赤十字病院 肝胆膵内科
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田中 良憲
松山赤十字病院肝胆膵内科
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竹下 英次
松山赤十字病院肝胆膵内科
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上甲 康二
松山赤十字病院肝胆膵内科
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小林 雄一
松山赤十字病院肝胆膵内科
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