小児IgA腎症の腎不全,腎死を規制する因子と,成人期へのキャリーオーバーの問題点 多変量解析による検討:—多変量解析による検討—
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概要
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小児lgA腎症の186例 (男女比105/81,平均年齢12.3±2.7歳,平均観察期間19.8±4.7年) の腎不全あるいは腎死に至る予後因子をCoxの比例ハザードモデルを用いて多変量解析した。経過中の高血圧,腎不全時高血圧,糸球体硬化度 (40%以上) および3+以上の高度蛋白尿が小児IgA腎症の予後増悪因子として検出された。逆に尿細管間質障害や血管変化は糸球体障害との相関性から独立した予後増悪因子とはならなかった。キャリーオーバーに関係する因子としては生検時年齢が唯一の因子であった。すなわち従来考えられていた腎機能の増悪とは全く関係なかった。キャリーオーバーする/しないを検討することは,腎不全/腎死に対する予後因子を調べることにはならない。
- The Japanese Society for Pediatric Nephrologyの論文
著者
-
清 保博
福岡大学医学部第2病理
-
竹林 茂夫
福岡大学医学部 第二病理科
-
竹林 茂夫
福岡大学医学部 第2病理学教室
-
多田 勝
福岡大学医学部 第2病理学教室
-
清 保博
福岡大学医学部 第2病理学教室
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