尿路感染症の急性期治療法
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概要
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尿路感染症はごく限られた「腎盂腎炎惹起性大腸菌」と呼ばれる菌株の感染により発症する。これらの菌株ではpathogenicity islandと呼ばれる複数の毒素遺伝子群をコードする染色体領域が存在する。なかでも,腎尿路粘膜細胞に特異レセプターを持つP-線毛とRTX toxin familyに属するα-ヘモリジンは尿路感染症の発症因子として重要である。腸管内に常在する非病原性大腸菌が病原性を獲得したり・消失して,腎盂腎炎惹起性大腸菌や腸管病原性大腸菌と変化するのはphageあるいはそれと同等の蛋白質の関与が想定される。 小児の初回尿路感染症は基礎疾患の合併を認めない限り抗生剤の治療に比較的良好に反応する。しかし,若年者では反復し易く,治癒後も十分な経過観察が必要である。尿路感染症は基礎疾患の合併症と考えるべきもので,抗生剤の予防投与は発症原因を十分に解析して実施すべきものと推察された。
- The Japanese Society for Pediatric Nephrologyの論文
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