北西太平洋・鹿島沖コアMD01-2421のMIS 6以降の花粉記録:陸域資料との対比
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概要
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鹿島沖コアMD01-2421は過去144 kyの連続堆積物である.本コアの花粉分析により関東平野北部における植生と気候の変遷史が復元された.花粉温度指標の変化をもとに2温暖期(MIS 5.5と2末期〜1)と3冷涼期(初期を除くMIS 5.4〜5.3前半,5.1後半および3初期)が認められた.MIS3初期を除いて冷涼期と温暖期の後,夏のモンスーンにより多雨となり,スギとコウヤマキが優勢になった.モンスーンのピークが過ぎると,寒冷化して亜寒帯針葉樹が増加するという共通の傾向が見られた.MD01-2421コアから復元された植生変遷は,関東平野南部の最終間氷期以降の植生史と極めて類似する.また,日本列島の他の地域から得られたMIS5.5以降の花粉記録と比較すると,本州中部の琵琶湖,大湫盆地および諏訪湖の花粉群が同コアに類似しており,太平洋岸における海陸の対比が可能である.
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