国内産小麦の品質と入札価格のヘドニック分析
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概要
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従来,国内産小麦は政府の介在により,実需者の求める品質情報が生産者に伝達され難いといった問題があった.入札制度の導入により,価格が品質を反映することとなり,品質面での需給ギャップ解消が期待されている.制度導入後,品種間の価格差は最大で50%に達し,入札価格を高める品質特性を明らかにすることは,育種機関の育種目標決定に対して必要な情報を提供するとともに,農家が品種選択を行う際の判断基準となる.本稿では,ヘドニック分析を用い,タンパク質含有率,灰分,色調,容積重,アミロ粘度の各品質特性の限界価値を推計することで,小麦価格を形成する品質特性を明らかにする.結果は,硬質小麦であること及びタンパク質含有率が価格差の多くを説明していた.農家はタンパク質含有率の高い硬質小麦を栽培することで,受け取る価格がより高まると期待されるとともに,試験研究機関にとってはタンパク質含有率の高い硬質小麦を育成することが最重要課題として挙げられる.
著者
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齋藤 陽子
帯広畜産大学
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齋藤 久光
帯広畜産大学
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Saito Hisamitsu
Department Of Agricultural And Resource Economics Faculty Of Agriculture Kyushu University
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