アルカリ超臨界水熱反応によるビチュメンのアップグレーディング

概要

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オイルサンド層から回収されたビチュメンのアルカリ超臨界水熱分解による低分子化·改質反応の特徴を, 水が存在しない熱分解およびアルカリが存在しない場合と生成油の組成を比較することによって明らかにするとともに, アルカリ超臨界水熱分解における硫黄化合物の変化について知見を得ることを目的として研究を実施した。 (1) 上記の3ケースの反応系における生成油の主要成分はよく似た構成を示しており, 主要な低分子化機構が互いに類似していることが示唆された。 (2) 生成油の低粘度化と脱硫は時間経過における変化が同様の傾向を示した。しかし, 脱硫では水の影響については低粘度化と逆の傾向を示した。 (3) 生成油の軽質留分中の硫黄化合物はチオフェン類が主体であるが, これらの物質はアルカリを加えた超臨界水熱反応の場合が最も生成量が少なく, 低分子化の過程における脱硫の進行にアルカリが関与していることを示唆している。 (4) アルカリ水熱反応ではビチュメン中の脱金属も促進され, バナジウムはその約9割以上が除去できる。
社団法人石油学会の論文
2003-07-01