子宮癌の数例における染色体研究
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概要
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原発腫瘤である6例の子宮癌の染色体調査を行ない, それぞれの腫瘍に特有な染色体構成をもつ腫瘍細胞の存在を明らかにし, さらにそれらの細胞群が高い頻度で出現することから, 腫瘍の増殖に第一義的に関与する種族細胞であると推察される。No. 3腫瘍では染色体数50と51とをもつ少なくとも2つの種族細胞群が高頻度で存在した。No. 21 と No. 45 の両腫瘍では染色体数50前後をもつ細胞が多く出現した。No. 49 腫瘍では52, No. 53 腫瘍では55の染色体数をもつ種族細胞の存在が明らかになった。No. 50 腫瘍においては染色体数66と75とをもつ2群の三倍性の種族細胞が存在した。No. 50 腫瘍を除いた他の5例では種族細胞の染色体数は高二倍性の50から55の間に分布している。また染色体分析を行ない得た4例の子宮癌の種族細胞はそれぞれの腫瘍に特有な染色体構成をもっていて, 患者個人によって染色体型を異にしていることが明らかになった。
- 日本遺伝学会の論文
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