化学修飾により付与される寸法安定性と樹種との関係
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概要
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10樹種の心材および2樹種の辺材に対して、寸法安定化機構の異なる3とおりの化学修飾法を用い、同一の薬液濃度で処理を行った。その結果、心材と辺材では付与される寸法安定性に差が認められなかった。一方、樹種間の差異は、カルボキシエチルチオコハク酸やアゼライン酸処理において明らかで、グリオキザール樹脂処理では小さかった。木材の見かけの密度と、処理によって付加される重量増加率との間には明確な関係があり、密度が高くなると重量増加率は低くなった。処理に伴い発現するバルキング率を無処理時の木材の全膨潤率で除した値は、重量増加率と直線的な関係にあり、また、ASEと重量増加率も直線的な関係にあった。しかし、ASEと重量増加率との関係にあっては、グリオキザール樹脂処理は他の2つの処理よりも、その傾き(ASE/重量増加率)が緩やかであった。これは、同処理が架橋の形成を伴っているためと推察されるが、密度が高く、大きな重量増加率が付与しにくい樹種に対しては、同処理が効果的であることを示している。
- 奈良県森林技術センターの論文
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