希少魚の遺伝形質の解析
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概要
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ミヤコタナゴの種保存に対する取り組みの一つとして、各地の水族館、博物館、水産試験場等での飼育・繁殖が行われている。ミヤコタナゴ集団の遺伝的多様性の確認を行い、多様性の維持が可能な繁殖方法を検討することを目的として調査を行った。解析対象は・羽田生息地保護区から1993年に採捕された野生集団25個体。・上記野生集団を始祖とする羽田飼育集団4年級群。・匿名の野生集団由来の飼育集団3年級群。・異なる3系統の集団を掛け合わせた、水試系飼育集団4年級群とした。飼育集団では年によっては遺伝的多様性が低下することがあるが、経年的に低下する傾向は認められなかった。このことは、毎年複数の年級群の親魚から稚魚を得たことによると考えられ、このような飼育繁殖方法がミヤコタナゴの遺伝的多様性の維持に有効な方法であると考えられた。
- [栃木県水産試験場]の論文