飼育環境改善試験
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概要
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アユのボケ病の症状緩和、あるいはへい死率の抑制に対し、飼育池の酸素環境改善が効果的に作用するか否かについて検討した。治療方法として飼育池内の溶存酸素量(以下、D。O。と略記)の向上と塩水浴(1%食編水による2時間浴を採用した。試験終了時の累積死亡率は、治療をまったく施さなかった4区で95。2%に、D。O。を向上させた2区でも、累積死亡率は93。4%とほぼ同等の値を示した。塩水浴のみでボケ病に対処した3区では、無処置区の4区に比べ最終死亡率が12。8%低かった。さらに高D。O。とした上で塩水浴も行った1区の累積死亡率は、無処置区の4区より27%低い68。2%であった。塩水浴はボケ病による死亡を軽減する若干の効果があるものと思われた。また、飼育環境を高D。O。とすることで、この効果はさらに亢進するものと考えられた。
- [栃木県水産試験場]の論文